『喜望峰の風に乗せて』1/24
2019年最初の映画は『喜望峰の風に乗せて』
単独無寄港という冒険にチャレンジすることを決めたのが退役軍人で町会議員なども歴任し、現在は企業経営者である男。
事業はあまり芳しくない。
そのような中、自社ブランドの構築、自身・家族の名誉、賞金の獲得など様々な目的、想いをもって挑戦を決断する。
妻は「出港する前に取りやめるだろう。」と考え、危険の伴うこの航海に対し現実感をもって捉えることができない。
しかし、日は過ぎ、スポンサーが集まり、レースの出航期限が迫る。
男(夫)も自信の決断とは裏腹にうまくいかない造船、資金調達に悩まされ、出航を辞めようとするが、スポンサーやこの話題に巻き込んだ記者からのプレッシャーもあり、準備不足と認識しながらも引くに引けず、旅立ちの日を迎える。
男の予想通り、船内の荷物は散々に散らかり、防水パッキンの品質も悪く漏水する。
慣れない船の揺れや機器のメンテンナンスに満身創痍になりつつも、なんとか航海を続ける。だが、自身がスポンサーに言って回ったようなスピードは出すことができず、ついに禁断の手段をとる。
それが結局は身を亡ぼすことになる。
名誉のために旅に出た男が絶対に失ってはいけないもの、それがそう。
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この映画を見て思ったことは未踏の地を進みたいという好奇心や冒険心ばかりが人を駆り立てるわけではない、ということだ。
人はみな、それぞれの舞台にて必死に戦うし、それぞれの地獄を抱えている。
他人から見れば大したことではなくても、それは幸福であり、それは地獄である。
この男はどんな地獄を抱えていたのだろうか。
単独無寄港、という誰も成し遂げたことがないものに心惹かれたのか。
ビジネスだっただけなのか。
見栄であったのか。
このようにつらつらと書いていると「冒険を決めた時」「冒険を不安に思った時」「過ちを犯した時」の3点をもっと深く描いてほしかった。
いや、私自身がもっと深く理解したかったと思う。
自身の経験が不足している故に今回の映画の表現からは深く潜っていくことができなった。
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とは書きつつも、やはり劇場で鑑賞する映画というものはいいものです。
スマホから離れ、ほぼ自分だけの時間として楽しむ。
人の人生に触れて、また人の感情の変化を通して時代や事象を知ることができる。
今年は劇場で24本以上の映画を鑑賞することを一つの目標に挙げてます。
1/24 (2019.1.24)『喜望峰の風に乗せて』